2012年12月07日
Creative,「Sound BlasterAxx」発表。BT&USB接続
2012年6月6日,Creative Technology(以下,Creative)の日本法人であるクリエイティブメディアは,Sound Blasterシリーズの新モデルとなる「Sound BlasterAxx」(Axx:アックス,以下 SBAxx)を発表した。
SBAxx
上の写真を見てもなんだか分からないという意見はもっともだが,実のところ,SBAxxを一言で説明するのは非常に難しい。それでもあえてまとめるならば,「ステレオスピーカーセットとマイク,Creative独自のサウンド機能を,BluetoothあるいはUSB接続できる“六角柱”にまとめた製品」ということになるだろうか。
ラインナップは上位モデルから順に「Sound BlasterAxx SBX 20」「Sound BlasterAxx SBX 10」「Sound BlasterAxx SBX 8」(以下順にSBX 20,SBX 10,SBX 8)で,下に写真で示したとおりの外観をしているのが大きな特徴だ。「スタックスピーカー」と呼ばれるデザイン方式により,2基のフルレンジスピーカーユニットを縦に配置しているため,それぞれ,1本で2chステレオスピーカーとして機能する。
写真左から順にSBX 20,SBX 10,SBX 8。それぞれ1本で1製品だ。ご覧のとおり,大きさはかなり異なる
柱の中央上部にはLEDインジケータがあり,USB接続時は白く,Bluetooth接続時は青く光る CreativeはこのSBAxxを,これまでにないサウンドデバイスとして位置づけているが,その根拠となるのが,SBX 20とSBX 10でサポートされるBluetooth入出力機能だ。
SBAxxはBluetooth接続のワイヤレススピーカーセットとして利用でき,PCやMac,iOSおよびAndroid端末から音楽再生を行ったり,後述するCreative独自機能を使って,ゲームやビデオの音をバーチャルサラウンド出力したりできるが,それだけではない。搭載される2基の無指向性マイクを指向性マイクとして活用し,部屋のどこからでもボイスチャットを行えるようにノイズ対策したり,iOSの音声認識システム「Siri」や,Android向けにリリースされている音声認識アプリのマイク部として利用したりすることもできるようになっているのである。
以上のような機能を提供するのは,SBAxxに搭載されるCreative製DSP(Digital Signal Processor,ここではサウンドチップと同義)の「SB-Axx1」。クリエイティブメディアによると,これはSound Blaster Recon3Dシリーズで搭載されるDSP「Sound Core3D」をベースとして,モバイルデバイス用にリファインを行い,SBAxxのような「システム」(=PCなどを必要とせず,単体で動作する製品)向けにしたチップとのことだ。
Sound Core3D搭載製品は,最終製品や映画館などの音響&映像品僭u価を専門に行う米THXと,Creativeの米国法人であるCreative Labsの協業によるソフトウェアスイートで,各種オーディオプロセッサ(≒機能)を利用可能にする「THX TruStudio Pro」や,Creative独自の音声入力系プロセッサ群「Crystal Voice」を利用可能なのが大きな特徴だが,SB-Axx1(を搭載したSBAxx)では,出力系プロセッサ群の名称が「SBX Pro Studio」に変わっている。利用できるのは下にまとめた機能で,基本的にはTHX TruStudio Proから変わっていないが,高域と低域の音を弱める「Night Mode」が追加されていたりするので,そのあたりが理由という可能性はある。
●SB-Axx1で利用可能な出力系オーディオプロセッサ
一方,名称の変わっていないCrystal Voiceは,Sound Core3Dと機能的にも違いはないようだ。念のため,リネージュ2 RMT,SB-Axx1で利用可能なものを下にまとめたので参考にしてほしい。
●SB-Axxで利用可能な入力系オーディオプロセッサ
iOS版Creative Central これらの機能は,柱の頂上部に用意された静電容量式タッチパネルから制御できるほか,別途無償ダウンロードで提供されるiOS(Version 5以降)およびAndroid(Version 2.2以降)向けアプリ「Creative Central」からも制御可能だ。iOS版は音楽再生もCreative Centralから行える仕様となっている。
Creative CentralはPCとMacにも将来的に提供される予定で,それまでは,ドラクエ10 RMT,USB接続時に利用できる「Sound BlasterAxx Control Panel」(こちらも別途無償ダウンロードで提供)を使うことになる。
静電容量式タッチパネル(写真左)。中央の細いバーは出力ボリュームコントローラになっており,指をなぞらせると追従する(写真右)
なお,出力サウンドに音声を重ねられる再生リダイレクト機能は,Windows,Mac,iOS,Androidのすべてで対応。もう1つ,Windows環境下のみに限定されるが,出力サウンドに音声を重ねるとき,自分の声のモニタリングを有効化するか無効化するか設定できる「WAVE/AUXマイク ミックス」機能も用意されるので,チャットや録音周りの機能が重視されているというわけだ。
面白いのはSBAxxの給電方式で,標準ではUSBのみ。別売りでACアダプタが用意されるそうだが,一方で5V/1Aを供給できるUSB?ACアダプタやUSB接続型バッテリーでも保証外ながら動作は可能とされているので,PCやMacでの利用時はともかく,モバイル端末と組み合わせる場合には,それらと組み合わせて使うのが一般的になるのではなかろうか。
本体背面下部には入出力インタフェースと,SBX 20&SBX 10ではBluetoothのペアリングボタンが並べられている。USB 2.0ポートは,モバイルバッテリーとの接続も可能だ
そのほか主なスペックは表のとおり。ここまであえて説明してこなかったが,最下位モデルとなるSBX 8は,そもそもBluetooth接続に非対応であるため,Bluetoothに依存した機能がすべて利用できないほか,マイクも無指向性タイプが1基なので,ステレオマイクを用いて指向性を持たせるCrystal Voice Focusも利用不可なので注意してほしい。SBX 8はPC&Macの傍らに置いて使うデバイスで,SBAxxのフル機能はSBX 20とSBX 10でのみ提供されるわけだ。
ちなみに製品名は「BlasterAxx」と,「Blaster」と「Axx」の間を詰めて表記するのが正式だそうだ 本体サイズまで考えるに,机上で使おうとするとSBX 20は少々大きすぎるかもしれない。床に置いて,iOS/Androidタブレットの外部スピーカー&マイクとして使ったりするのが現実的であるようにも思えるが,クリエイティブメディアも「SBAxxは,豊富な機能のどこを重視するかで使い方や設置方法が変わってくる」と述べていたので,発売前にあれこれ考えてみるのがいいのかもしれない。
いずれにせよ,iOSやAndroidのゲームで,アプリ側の仕様の問わずにバーチャルサラウンド出力などを行える製品というのは,筆者の記憶にある限りこれが初めて。使い方次第では面白い存在になりそうである。
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SBAxx
上の写真を見てもなんだか分からないという意見はもっともだが,実のところ,SBAxxを一言で説明するのは非常に難しい。それでもあえてまとめるならば,「ステレオスピーカーセットとマイク,Creative独自のサウンド機能を,BluetoothあるいはUSB接続できる“六角柱”にまとめた製品」ということになるだろうか。
ラインナップは上位モデルから順に「Sound BlasterAxx SBX 20」「Sound BlasterAxx SBX 10」「Sound BlasterAxx SBX 8」(以下順にSBX 20,SBX 10,SBX 8)で,下に写真で示したとおりの外観をしているのが大きな特徴だ。「スタックスピーカー」と呼ばれるデザイン方式により,2基のフルレンジスピーカーユニットを縦に配置しているため,それぞれ,1本で2chステレオスピーカーとして機能する。
写真左から順にSBX 20,SBX 10,SBX 8。それぞれ1本で1製品だ。ご覧のとおり,大きさはかなり異なる
柱の中央上部にはLEDインジケータがあり,USB接続時は白く,Bluetooth接続時は青く光る CreativeはこのSBAxxを,これまでにないサウンドデバイスとして位置づけているが,その根拠となるのが,SBX 20とSBX 10でサポートされるBluetooth入出力機能だ。
SBAxxはBluetooth接続のワイヤレススピーカーセットとして利用でき,PCやMac,iOSおよびAndroid端末から音楽再生を行ったり,後述するCreative独自機能を使って,ゲームやビデオの音をバーチャルサラウンド出力したりできるが,それだけではない。搭載される2基の無指向性マイクを指向性マイクとして活用し,部屋のどこからでもボイスチャットを行えるようにノイズ対策したり,iOSの音声認識システム「Siri」や,Android向けにリリースされている音声認識アプリのマイク部として利用したりすることもできるようになっているのである。
以上のような機能を提供するのは,SBAxxに搭載されるCreative製DSP(Digital Signal Processor,ここではサウンドチップと同義)の「SB-Axx1」。クリエイティブメディアによると,これはSound Blaster Recon3Dシリーズで搭載されるDSP「Sound Core3D」をベースとして,モバイルデバイス用にリファインを行い,SBAxxのような「システム」(=PCなどを必要とせず,単体で動作する製品)向けにしたチップとのことだ。
Sound Core3D搭載製品は,最終製品や映画館などの音響&映像品僭u価を専門に行う米THXと,Creativeの米国法人であるCreative Labsの協業によるソフトウェアスイートで,各種オーディオプロセッサ(≒機能)を利用可能にする「THX TruStudio Pro」や,Creative独自の音声入力系プロセッサ群「Crystal Voice」を利用可能なのが大きな特徴だが,SB-Axx1(を搭載したSBAxx)では,出力系プロセッサ群の名称が「SBX Pro Studio」に変わっている。利用できるのは下にまとめた機能で,基本的にはTHX TruStudio Proから変わっていないが,高域と低域の音を弱める「Night Mode」が追加されていたりするので,そのあたりが理由という可能性はある。
●SB-Axx1で利用可能な出力系オーディオプロセッサ
一方,名称の変わっていないCrystal Voiceは,Sound Core3Dと機能的にも違いはないようだ。念のため,リネージュ2 RMT,SB-Axx1で利用可能なものを下にまとめたので参考にしてほしい。
●SB-Axxで利用可能な入力系オーディオプロセッサ
iOS版Creative Central これらの機能は,柱の頂上部に用意された静電容量式タッチパネルから制御できるほか,別途無償ダウンロードで提供されるiOS(Version 5以降)およびAndroid(Version 2.2以降)向けアプリ「Creative Central」からも制御可能だ。iOS版は音楽再生もCreative Centralから行える仕様となっている。
Creative CentralはPCとMacにも将来的に提供される予定で,それまでは,ドラクエ10 RMT,USB接続時に利用できる「Sound BlasterAxx Control Panel」(こちらも別途無償ダウンロードで提供)を使うことになる。
静電容量式タッチパネル(写真左)。中央の細いバーは出力ボリュームコントローラになっており,指をなぞらせると追従する(写真右)
なお,出力サウンドに音声を重ねられる再生リダイレクト機能は,Windows,Mac,iOS,Androidのすべてで対応。もう1つ,Windows環境下のみに限定されるが,出力サウンドに音声を重ねるとき,自分の声のモニタリングを有効化するか無効化するか設定できる「WAVE/AUXマイク ミックス」機能も用意されるので,チャットや録音周りの機能が重視されているというわけだ。
面白いのはSBAxxの給電方式で,標準ではUSBのみ。別売りでACアダプタが用意されるそうだが,一方で5V/1Aを供給できるUSB?ACアダプタやUSB接続型バッテリーでも保証外ながら動作は可能とされているので,PCやMacでの利用時はともかく,モバイル端末と組み合わせる場合には,それらと組み合わせて使うのが一般的になるのではなかろうか。
本体背面下部には入出力インタフェースと,SBX 20&SBX 10ではBluetoothのペアリングボタンが並べられている。USB 2.0ポートは,モバイルバッテリーとの接続も可能だ
そのほか主なスペックは表のとおり。ここまであえて説明してこなかったが,最下位モデルとなるSBX 8は,そもそもBluetooth接続に非対応であるため,Bluetoothに依存した機能がすべて利用できないほか,マイクも無指向性タイプが1基なので,ステレオマイクを用いて指向性を持たせるCrystal Voice Focusも利用不可なので注意してほしい。SBX 8はPC&Macの傍らに置いて使うデバイスで,SBAxxのフル機能はSBX 20とSBX 10でのみ提供されるわけだ。
ちなみに製品名は「BlasterAxx」と,「Blaster」と「Axx」の間を詰めて表記するのが正式だそうだ 本体サイズまで考えるに,机上で使おうとするとSBX 20は少々大きすぎるかもしれない。床に置いて,iOS/Androidタブレットの外部スピーカー&マイクとして使ったりするのが現実的であるようにも思えるが,クリエイティブメディアも「SBAxxは,豊富な機能のどこを重視するかで使い方や設置方法が変わってくる」と述べていたので,発売前にあれこれ考えてみるのがいいのかもしれない。
いずれにせよ,iOSやAndroidのゲームで,アプリ側の仕様の問わずにバーチャルサラウンド出力などを行える製品というのは,筆者の記憶にある限りこれが初めて。使い方次第では面白い存在になりそうである。
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